中国で居留許可を申請する際、健康診断の受診結果を提出しなければなりません。
基本的には、勤務先あるいは留学先から指示された医療機関を受診することになると思います。
日本では定期的に受診している健康診断であっても、いざ海外でとなると、「手順は?」「 内容は?」などと不安になりますよね。
今回は、そんなあなたに向けて、私が中国・上海で健康診断を受診したときの実体験をレポートします。
1.健康診断はどこで受診できるの?

居留許可を申請するとなった場合、勤務先または留学先から、健康診断の受診を案内されます。その際、医療機関も指示されることになるので、どこに行けばいいの?ということはないと思います。
私の場合、Shanghai International Travel Healthcare Center(→ウェブサイト)を紹介されました。
こちらの医療機関には、私のような日本人だけではなく、様々な国籍の方が健康診断を受診しに来ていました。そのため、職員の方は中国語だけでなく、英語でも対応してくれます。
難点は、最寄駅から離れているということ。徒歩で30分ほどかかります。ただし、道順はそれほど複雑ではありませんでした。
2.受診手順は?
以下が、私が実際に健康診断を受診したときの流れです。
1.ウェブサイトから日程を予約
私が健康診断を受けた医療機関は、事前にウェブサイトから受診日程を予約するシステムでした(→こちらのページ)。
私の場合、中国入国後、すぐに健康診断を受診する必要があったため、出国前に日本から予約を取りました。
ここで注意する必要があるのが、遠い日程は選択できないこと。私は“どうしてもこの日に受診したい”という日があったのですが、余裕をもって2週間以上前に予約しようとしたところ、その日を選択することができませんでした。その後、数日ごとに日程変更を試みましたが、その日を選択できるようになったのは、受診日から1週間を切った頃だったと思います。
なお、予約の変更・キャンセルは何度でも可能です。日程を間違えた場合も、安心して再度予約を取り直すことができます。
2.健康診断当日、医療機関を訪問する
私が受診した医療機関では、予約時間は朝9時のみとなっていました。
ちょうど9時に到着しましたが、受付には2~3人並んでいる程度で、特に混んでいる様子はありませんでした。9時を過ぎてからも、まばらに受診する方が訪れていました。
3.受付でパスポートを提示する
手順がわからなかったため、とりあえず受付(Reception)に行き、パスポートを提示しました。予約状況をチェックされました。
その後、受付の方に、
- パスポートのコピー 1部
- 証明写真 3枚
の提出を求められました。
それらを持参していないことを伝えると、隣のコミュニティセンターに行くよう促されました。
4.パスポートのコピーと証明写真を用意する
施設内に小さなブースがあり、そこでコピーと証明写真の撮影ができるようになっています。
パスポートのコピー
ブースにいるスタッフにパスポートを手渡すと、コピーをとってくれます。
費用は有料です。支払いはQRコード払いのみ対応しています。
証明写真
ブースにいるスタッフに声をかけると、デジタルカメラで写真を撮影してくれます。その場でコピー用紙に6枚分印刷され、裁断機でカットした状態で渡してくれます。
費用は有料です。支払いはQRコードのみ対応しています。
5.受付に必要書類を提出する
- パスポート 原本
- パスポートのコピー 1部
- 証明写真 3枚
をそろって提出し、受付となります。問診票を渡されます。
この際、検査結果の受け取り方法についても確認されます。
6.問診票を記入し、受付に提出する
個人情報に加え、健康状態や病歴についての設問があります。日本で健康診断を受診する際と大きな違いはありません。
ただし、設問は中国語と英語で書かれています。病気の名称などは専門用語でわかりにくいため、翻訳アプリがあると安心です。
記入後、再度受付に行き、問診票を提出します。確認後、問診票と受付番号が渡されるので、それらを持って次のゾーンに移動します。
7.問診を受ける
待合スペースで待機していると、受付番号が呼ばれます。小さなブースに入り、問診票をスタッフに渡すと、内容をチェックされます。気になる点があれば、質問されるようです。私の場合、「妊娠していますか?」ときかれました。
ここでも、中国語・英語どちらでも会話できます。
8.支払いをする
受付をクリアすると、具体的な検査に入る前に支払いとなります。
窓口で問診票などの書類一式を渡すと、金額が表示されます。支払い方法は、WeChat Pay、Union Payのみとなっていました。現金はもちろんのこと、Alipayも対応していないようです。ご注意ください。
9.検査服に着替える

支払いが終わると、更衣室に行くよう指示されます。手順は以下の通りです。
- 入り口で鍵を受け取る
- 個室に入り、検査服に着替える
- ロッカーに荷物を入れ、鍵をかける
更衣室は男女一緒です。上半身の衣服やネックレスはすべて脱ぎ、検査用のガウンを着用します。ここから先は荷物を持って入れないため、ロッカーに貴重品や衣類を収納します。
鍵を身に着け、問診票を持った状態で、次の部屋に進みます。
※上の写真は、更衣室内に貼られていたポスターです。
10.順番に検査を行う
更衣室を出ると、1本の長い廊下となっており、その片側に、検査ごとの部屋が設置されています。まずは一番手前の部屋に入ります。
基本的には、検査が終わるごとに「次は○番の部屋へ行ってください」と言われるので、指示に従えば問題ありません。
詳細は、次の”検査項目”のパートでお伝えします。
11.着替えてロッカーの鍵を返却する
一通り検査が終わったら、自分の服に着替えます。更衣室の入り口で鍵を返却することを忘れないようにしましょう。
以上で終了です。再度受付に寄る必要はなく、そのまま帰宅できます。
3.検査項目は?
私が受診した際の健康診断の項目は、以下の通りです。医療機関やプランによって異なると思いますので、参考程度としてください。
- 身長・体重測定
- 血圧、内科検診(聴診器)
- 血液検査
- 心電図
- 聴力検査
- 心エコー
- X線検査
- 視力検査
日本で行われている、年に一度の健康診断の内容とほとんど同じです。
4.検査結果が出るまでの日数は?
私の場合、5営業日で受け取ることができました。具体的に言うと、月曜日に受診→金曜日に受け取り、ということです。
ただしこれは、自分自身で医療機関に取りに行った場合であり、郵送での受け取りを希望すると、+2日かかります。
受け取り方法は、最初の受付できかれますので、緊急性、利便性などを鑑み、自分に合った方法を選択してください。
5.費用はどれくらいかかるの?
私の場合、費用は400元でした。
中国ではQRコード決済が普及しており、現金が使えない場所も少なくありません。そして、このことは医療機関にも当てはまります。
健康診断は中国に来て早い段階で受診することになると思いますので、まだQRコード決済が利用できないという場合は、お友達に付き添ってもらうというのも1つの手段かもしれまえん。
6.おわりに
国は異なれど、健康診断というからには、日本で経験したものと大差ないことはおわかりいただけたと思います。
とはいえ、細かな勝手が違うのも確かです。
異国の地で医療機関に行くというのは、どうしても緊張してしまいます。そんなときに自分を落ち着かせるためには、知ったかぶりをするより、わからないこと、聞き取れなかったことを聞き直し、理解した状態でひとつひとつ進めること。
私も最初は「Yes」と答えるだけで精いっぱいでしたが、何度かスタッフの方に質問をする過程で、地に足がついてきました。
最後になりますが、必ずパスポートは忘れないようにしてくださいね!
コメント